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オーストラリアの首都はキャンベラ!でも、あんまり知名度高くないですね。^^;そんなキャンベラからごくフツーのオーストラリア生活をお届けしてます。


by johnnycake
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あまりに突然で

10日ほど前に以前一緒に仕事をしていた同僚から久しぶりにメールをもらいました。それは、1週間前に彼の娘さんが学校で頭痛を訴えた後に吐いて、救急車で近くの病院に運ばれたところ脳内出血を起こしているということで、脳外科のいる別の大きい病院に転送され(どちらもキャンベラの病院)、その脳外科医では対処できないということで、そこからヘリコプターでシドニーマクウォーリー大学病院に運ばれたというものでした。そこで脳動静脈奇形と診断されて、脳内出血の結果脳内圧力が上がってしまったので、それを抑えるための緊急手術が行われたそうです。

脳動静脈奇形というのは、生まれつき脳内に異常な血管構造を持って生まれてくる病気なのだそうです。(脳動静脈奇形とは?のページに図解があります。)この病気の人は血管が破裂するまでそういう病気だということに気がつかない人が多いのだそうです。

この同僚の娘さんも同様で、全く普通に生活していたのに、ある日突然頭痛がして、病院に担ぎ込まれたということなのでした。

最初のメールをもらった時点では、既に緊急手術の後にこの異常血管を取り除く手術が行われており、手術は成功して執刀医も非常に満足しているというものでした。薬でしばらく眠らせた後はゆっくりと起こしていくということでした。

術後の経過も良好で、2人の看護師がつきっきりだったのが1人に減ってそろそろ意識が戻るというところまできていました。それが暗転してしまったのが3日前です。異常血管がまだ残っていることが検査の結果判明し、再手術となりました。その最中にかなり大きな出血があり、それが脳幹の中だったというのです。

そしておとといの朝2人の医者の検査で正式に脳死と判定されました。彼女はわずか16歳にして帰らぬ人となってしまったのです。

この同僚とは、私は7年一緒に仕事をしました。3年半前に会社倒産で皆ばらばらになったことは以前ブログにも書きましたが、お別れはパブでにも書いたように、別れの場面で泣きながら皆とハグした私を最初にしっかりハグしてくれたのも彼でした。彼の机の横の壁には、娘さんたちの赤ん坊の頃からの写真がいっぱい貼り付けてあって、毎年増えて壁いっぱいになっていました。

会社倒産の後の最後のクリスマス・パーティには娘さんたちを連れてきていた彼。本当に子煩悩な人で、こんな風にその一人と別れることとなるなんて、本当にかける言葉もありません。

この元同僚の家族はこの娘さんの臓器を移植のために提供することを申し出ました。昨日から今日にかけて彼女の臓器は4人の人に移植されたそうです。4人の命が彼女の臓器のおかげで助かったことがせめてもの慰めだと一番新しいメールにはありました。(メールはどれも以前同じ会社で働いていた複数の同僚宛になっています。)

私はまだ彼女の脳死判定からこっち彼のメールに何と応えていいのかわからずにいます。16歳はうちの長女と同じ年齢です。自分達の身に同じことが起こったら私たちならどう対処するのだろう?と考えずにはいられません。本当にあまりに突然で、まだ何が起こったのかよくわからないような気がしていることと思います。
by johnnycake | 2011-05-26 19:40 | その他