トールキンのオックスフォード
2005年 07月 22日
かねてからJ.R.R.トールキン(指輪物語の著者)のファンでしたが、今回オックスフォードに行く機会があり、トールキンゆかりの地ということで、教授の住んでいた家や教えていたカレッジなどを訪れました。同行者が3人ほどいて、車で連れて行ってもらった手前トールキン三昧というわけにはいきませんでしたが、いろいろ回れて充実した一日でした。まず、駐車場の近くにトールキンがオックスフォードに来て一年ほど住んだ家があるというので見にいきました。ごく普通の家です。何も表示などはありませんでしたが、道路を挟んで向かい側には画家のウィリアム・ターナーが30年間住んでいた家というのあがあって、そこには小さなプレートがついていました。
教授の教えていたカレッジはMERTONというカレッジで、クライストチャーチの隣にありました。門の前の道路は丸石を敷き詰めた古い道路で、車が通るたびにおもしろい音をたてます。
ここにたどり着いたときは既に午後4時を過ぎていたので、中を見せてもらうわけにはいきませんでした。どのカレッジも1日に2,3時間しか一般公開していないので、どれも中を見るというわけにはいきません。しかし、入り口は開いていて、中庭や建物を垣間見ることができました。
昼食をとったパブもなかなか素敵でしたが、このThe Eagle and Childは、トールキンファンにとっては特別のパブです。というのも、ここにあるRabbit RoomでC.S.Lewisなどとともにインクリングの会合を開いていたからです。現在は当時のパブよりも3倍ほど広くなっていますが、Rabbit Roomにはルイスの写真などが飾ってありました。このパブでビールをいただいた後は最後の目的地である墓地に向かいます。
もう5時半になろうかという頃たどり着いた墓地は当然オフィスは閉まっていました。同行者に「どのお墓だかわかる?」と聞かれて呆然とした私。だって、いっぱいあるんですもの。一つ一つ見て歩くわけにはいきませんわね。幸い門を入ってすぐの地図の下のほうにトールキンの墓があることが小さく書かれていて、「標識に沿って行ってください。」とあるではありませんか。見ると、地図の下にA5版くらいの小さい立て札が立っていて、矢印があります。それに沿っていくと奥のほうにありました。奥様と一緒に名前の刻まれた墓石があります。有名なルシエンとベレンの名前の刻まれたやつです。
お墓にはいろいろと花や木が植わっていて、一見雑然としているのですが、その枝にいくつもロザリオやケルト模様のペンダントなどがかけてありました。供える花も何も持っていきませんでしたが、教授の書いた本のおかげで知り合った友達と交流を続けていることをご報告して帰途につきました。お墓に植えてあったバラが一輪だけ花をつけて夕日に映えていたのがとても綺麗でした。